ボルドー5大シャトーとは?

無題ドキュメント

ボルドーワイン最高峰の格付け 
5大シャトーとは?

メドック格付け第1級ボルドー5大シャトー
ボルドーワインの頂点に君臨し、常に愛好家から熱い注目を浴びる存在の「5大シャトー」。
伝統を守りながらも、巨額の設備投資によって栽培、醸造技術を向上。
ワインビジネスの最先端を探求し続けることでその地位を不動のものとすると同時に、
ボルドーワイン全体を牽引し、品質レベルを格段に引き上げる存在ともなっています。

メドック格付けとは?

1855年のパリ万国博覧会の際に、ナポレオン3世の命令を受け、当時のボルドー市の商工会議所が、メドック地区のワインの格付けを作成しました。これは、当時すでに確立されていた生産者の名声とワインの取引価格に応じたもので作られています。

第1級から第5級までの合計61シャトーに格付けがなされ、その中でも既に名声の高かった『シャトー・オー・ブリオン』のみ唯一メドック地区以外から第1級のシャトーに選ばれています。
また、現在に至るまで格付けの見直しは、1973年の『シャトー・ムートン・ロートシルト(ロスチャイルド)』が第1級に昇格した以外は行われていません。

ワインの一大産地のボルドー地方では、生産者が6,500軒を超えると言われています。その中でも格付けに選ばれたシャトーはわずか61軒。1%に満たないシャトーのみに認められた称号なのです。

さらに、第1級に関してはその中の5軒と、ボルドー地方で0.1%以下。最高品質のワインを造りだす、とても希少なシャトーです。以下は格付けのシャトーの数となります。

●第1級シャトー:5軒
●第2級シャトー:14軒
●第3級シャトー:14軒
●第4級シャトー:10軒
●第5級シャトー:18軒

ボルドー5大シャトーとは?

ボルドー5大シャトー

5大シャトーとは、メドックの格付け制度にて1級の称号を与えられた5つのシャトーを指します。
●シャトー・ラフィット・ロートシルト
●シャトー・マルゴー
●シャトー・ラトゥール
●シャトー・オー・ブリオン
●シャトー・ムートン・ロートシルト

世界中のワイン愛好家がこぞって求める至高の味わいはシャトー毎に違い、今なお、世界中のワイン生産者からも熱い眼差しを送られており、常に進化し続けるワインのトップメーカーです。

高額で取引されている事にも納得できる素晴らしい完成度は、ワイン愛好家であれば、人生で一度は楽しむべきワインとも言えるでしょう。

シャトー・ラフィット・ロートシルト
(ロスチャイルド)

Chateau Lafite Rothschild

5大シャトーの筆頭と称される王のワイン

ポイヤック地区にあり、1855年の格付けが決定して以来、第1級の首位の座を一度たりとも譲り渡したことのない、一級シャトー筆頭の『シャトー・ラフィット・ロートシルト。』

ヴェルサイユ宮殿にて国賓に振る舞われていた事や、ルイ15世が愛飲していたことからもワインの王、王のワインと称されています。

ラフィットの特徴は、気品あふれる香りと繊細で優美な味わい。ボルドーの真髄ともいえる究極のエレガンスを体現していると称されます。バランスに優れており、その全てが高次元。果実の凝縮感、香り、フィネス(余韻)が見事で、長期の熟成により官能的な味わいを産み出します。

シャトー・マルゴー

Chateau Margaux

ボルドーワインの女王

マルゴー地区にあり、1855年の格付けにて、20点満点でのテイスティング評価が行われていますが、その中で唯一20点の満点を獲得したシャトー。

うっとりとするような官能的な舌触り、重厚な香り、柔らかく優美な味わいは、ボルドーで最も「女性的なワイン」と形容されるワインです。飲み頃を迎えるまでには時間がかかり、最低でも10年、偉大なヴィンテージのものは、30年もの時間をかけて魅惑的なワインに成長します。
特に2016年の出来映えは、かなり素晴らしく、ワイン・アドヴォケイト誌では、99点の評価をされています。

シャトー・ラトゥール

Chateau Latour

5大シャトーの中でも最も安定した品質のワイン

「最も力強く男性的」と評されるシャトー・ラトゥールは、常に最高級、力強く、荘厳なスタイルを持ち、どのヴィンテージもシャトー・ラトゥールと分かる強烈な個性を持っています。
ヴィンテージに左右されにくい点でも評価されており、完璧なまでの品質主義により、常に進化を続けているのです。

色が濃く、タンニンが豊富であることが特徴で、じっくりと20〜30年といった時間をかけて熟成させると、タンニンの角が取れ、力強さと豊かなコク、円熟した深みが見事に現れ、世界に名高いラトゥールらしい極上の味わいを楽しむことができるのです。

2012年以降はプリムール販売から撤退。現在、シャトー側が発売時期をコントロールしており、今後、ますます入手困難なワインとなることでしょう。

シャトー・オー・ブリオン

Chateau Haut-Brion

メドック格付けの中で唯一メドック地区以外から
例外的に選ばれたワイン

メドック格付けの中では異例中の異例と言えるシャトーで、メドック地区ではなく、グラーヴ地区からの選出となったシャトーです。
それもオー・ブリオンの持つずば抜けた品質の高さと、当時の取引金額、そして名声によるものだと言われています。

他の第1級シャトーと大きく異なる点はメルロー種の比率が高く、渋みが少なく滑らかな飲み口が特長。
グラーヴ地区らしい香りや味の調和のとれた、親しみやすいワインです。
30年以上の長期熟成に耐えることで真価が発揮されると言われ、近年は特に評価が高く、世界的に著名な評価雑誌でもオー・ブリオンが最高の評価を得ることも多くなっています。

白ワインに関しても、高レベルのものを造っており、世界的にも珍しい高級赤白両刀使いです。

シャトー・ムートン・ロートシルト
(ロスチャイルド)

Chateau Mouton Rothschild

格付けを覆した異例のシャトー

100年以上も変更されなかった1855年のメドック格付けを覆し、唯一1級に昇格したシャトーとして有名です。
2級に格付けされた当時、ロスチャイルド男爵は「1級になることはできないが2級には甘んじることはできない。ムートンはムートンなり」と言った台詞が大変有名なシャトー。

5大シャトーの中でも最も派手で豪勢と評されており、その味わいは、濃厚で芳醇、ふくよかで肉づきがよく、リッチな特徴を備えています。深いエキゾチックな魅力を持ち、10〜15年という長期間の瓶内熟成によって、獣肉のような艶めかしい要素が現れてきます。

1945年以降は、ダリやシャガール、ミロをはじめとする現代アーティストなどの作品をワインのエチケットに起用。
毎年異なるエチケットはコレクターからも人気を博しています。

5大シャトー まとめ

5大シャトー

愛好家が憧れる5大シャトーはどれも稀少で高価なワインばかりですが、
単なるワインの生産者にとどまらず、歴史や文化の一部として、世界中で大きな影響力を持ってきました。

これらのシャトーは、ワイン愛好家だけでなく、著名な政治家、芸術家、そしてワイン業界そのものにも深い足跡を残しています。
5大シャトーのワインを楽しむことは、彼らの刻んできた歴史を共有し、新たな物語を紡ぐことの一環にもなるはずです。
歴史ある高級な味わいを、是非一度ご賞味ください。

5大シャトーのセカンドワイン

メドック格付け第1級セカンドワイン

セカンドワイン(セカンドラベル)とは、それぞれのシャトーやワインメーカーにおいて、その看板商品となる『最高品質(ファーストラベル)』として出荷するワインの品質基準に満たないと判断されたワイン。
5大シャトーにはそれぞれ銘柄の異なるセカンドワインが存在します。

【セカンドワインのメリット】

ほとんど全てのセカンドワインは、醸造・栽培・畑・熟成などを同一のチーム、シャトー(メーカー)で行っており、半値以下で取引されるワインが多く、気軽にそのシャトーの特徴や品質が楽しめるお買得なワインともいえます。
シャトーによって基準は異なりますが、熟成の過程で選別されたものや、ブドウの樹齢が若いもの、特定の区画のものなどが使われています。
長期熟成が必要なファーストワインよりも早く愉しめ、ファーストワインに比べてリーズナブルで入手しやすいのもメリットです。

【カリュアド・ド・ラフィット】

シャトー・ラフィット・ロートシルトのセカンドワインで、ラフィットを思わせる優美でクラシックなスタイルを見事に表現した逸品です。

【パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー】

シャトー・マルゴーのセカンドワインで、シャトーのエッセンスが詰まったしなやかなタンニンと果実味が織りなす官能的な逸品です。

【レ・フォール・ド・ラトゥール】

シャトー・ラトゥールのセカンドワインで、もはやセカンドラベルを超えた存在です。ファーストとは別の区画から生み出される、もうひとつのラトゥール。

【ル・クラレンス・ド・オー・ブリオン】

シャトー・オー・ブリオンのセカンドワインで、ファーストと同じ畑のブドウを使用したオー・ブリオンのエレガンスを堪能できるセカンドワインです。美しいバランス、高い完成度を誇る逸品です。

【ル・プティ・ムートン・ド・ムートン・ロスシルド】

シャトー・ムートン・ロートシルトのセカンドワインで、ファーストワインよりも手に入りづらいといわれる稀少なキュヴェです。セカンドながら熟成を重ねて、深みや芳醇さが増すポテンシャルの高い1本です。

スーパーセカンド

メドック格付け第2〜5級スーパーセカンド

スーパーセカンドとは、メドック格付け2〜5級の中で、1級に匹敵する品質のシャトーのこと。
ボルドー格付け第1級シャトーに迫り、今もなお飛躍し続け、ワイン愛好家の間で一目置かれる存在となりました。

上記で挙げたシャトーはどれも高品質で非常に評価が高く、もし格付けの見直しが行われることがあれば1級へ昇格するであろうと言われています。

ちなみに、スーパーセカンドというワードは正式なものではなく、1990年以降に起きたワインブームの中で生まれた造語のようです。
実はフランスの現地では使われておらず、明確な規定も特にありません。

主にスーパーセカンドとして挙げられているシャトーがこちら。

【2級】
●シャトー・コス・デストゥルネル
●シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ
●シャトー・デュクリュボーカイユ
●シャトー・モンローズ
●シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド

【3級以下】
●シャトー・パルメ
●シャトー・カロンセギュール
●シャトー・ポンテ・カネ
●シャトー・ランシュバージュ