シャトー・ムートン・ロートシルト について
1855年に制定されたメドック格付けの中で、唯一その格付けに変化をもたらしたのが、他でもない、このシャトー・ムートン・ロートシルトです。制定当初、ムートンは第2級に格付けされました。そこから118年後の1973年、4世代の交代を経て努力の末に見事第1級の座に登り詰めたのです。『われ一級になりぬ、かつて二級なりき、されどムートンは昔も今も変わらず』という言葉は、昇格当時、フィリップ男爵が残した言葉として今もなお語り継がれています。
シャトー・ムートン・ロートシルトと言えば、だれもがその象徴となっているアートラベルを思い浮かべることでしょう。毎年変わりコレクターにも愛されるムートンのエチケットの始まりは、シャトー元詰めが始まった1924年に遡ります。長い歴史の中で、フランス国内はもちろん国外からも、ミロやピカソ、シャガールといった著名な芸術家たちのアートをラベルに施すなど、世界中の著名人とタッグを組み、その歴史に残していきました。
また、ムートンは自らのシャトーのワインの品質向上や革新にとどまらず、その活躍の場を世界にも広げていきます。カリフォルニアに進出してロバート・モンダヴィ氏とタッグを組んだオーパス・ワンや、1997年にチリのコンチャ・イ・トロと手を取り生み出したアルマヴィヴァはその大きな功績の一端を担っていると言えるでしょう。
シャトー・ムートン・ロートシルト2017 の特徴・評価
2017年のムートン・ロートシルトは、カベルネ・ソーヴィニヨン 90%、メルロー 9%、カベルネ・フラン 1% のブレンドです。 深いガーネットがかった紫色で、ゆっくりと広がり、温かいブラックプラム、ベイクドブラックチェリー、キルシュ、砕いたばかりのブラックカラントの香りが現れ、スミレの砂糖漬け、シナモントースト、セイロンティー、鉛筆削りの香りが漂います。 ミディアムボディの味わいは、驚くべきエネルギーで満たされており、ダイナミックな黒と赤の果実と大量のベーキングスパイスとミネラルの火花が特徴で、熟したきめの細かいタンニンに囲まれ、長く香り高いフィニッシュを迎えます。 果実味とストラクチャーの強さを考えると、これは比較的エレガントなムートンで、早い段階から親しみやすいものではありますが、寿命が短いとはとても思い難く、おそらく40年以上にわたってその華やかな品質を保ことができるでしょう。
ワイン・アドヴォケイト：96+点
飲み頃：2022 - 2067
最終試飲日：2019/11/1
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