シャトー・ムートン・ロートシルト について
1855年に制定されたメドック格付けの中で、唯一その格付けに変化をもたらしたのが、他でもない、このシャトー・ムートン・ロートシルトです。制定当初、ムートンは第2級に格付けされました。そこから118年後の1973年、4世代の交代を経て努力の末に見事第1級の座に登り詰めたのです。『われ一級になりぬ、かつて二級なりき、されどムートンは昔も今も変わらず』という言葉は、昇格当時、フィリップ男爵が残した言葉として今もなお語り継がれています。
シャトー・ムートン・ロートシルトと言えば、だれもがその象徴となっているアートラベルを思い浮かべることでしょう。毎年変わりコレクターにも愛されるムートンのエチケットの始まりは、シャトー元詰めが始まった1924年に遡ります。長い歴史の中で、フランス国内はもちろん国外からも、ミロやピカソ、シャガールといった著名な芸術家たちのアートをラベルに施すなど、世界中の著名人とタッグを組み、その歴史に残していきました。
また、ムートンは自らのシャトーのワインの品質向上や革新にとどまらず、その活躍の場を世界にも広げていきます。カリフォルニアに進出してロバート・モンダヴィ氏とタッグを組んだオーパス・ワンや、1997年にチリのコンチャ・イ・トロと手を取り生み出したアルマヴィヴァはその大きな功績の一端を担っていると言えるでしょう。
シャトー・ムートン・ロートシルト2008 の特徴・評価
ロンドンでムートン・ロートシルトの垂直(同一シャトーの別ヴィンテージ)テイスティングをした中のひとつである2008年ヴィンテージを味わいました。2008年は、常にその後のいくつかのヴィンテージの影に隠れていましたが、このテイスティングに参加し、ここで表現される印象についてコメントしたのは私だけではありませんでした。 杉と黒鉛が存在し、ユーカリのようなもう少しエキゾチックなもののような味わいが美しくバランスが取れており、非常に緻密で非常にフレッシュです。 これにより、よりクラシックで構造的な鉛筆の芯のノーズが終わる前に、多くのエネルギーと多彩な動きが伝わってきます。 2008 年のムートン ロートシルトは、この 10 年間の「ダークホース」の 1 つになる運命にあり、それを理解している人々はこのワインを隠し持つでしょう。
ワイン・アドヴォケイト:95点
飲み頃:2021 - 2045
最終試飲日:2017/2/1
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