シャトー・ムートン・ロートシルト について
1855年に制定されたメドック格付けの中で、唯一その格付けに変化をもたらしたのが、他でもない、このシャトー・ムートン・ロートシルトです。制定当初、ムートンは第2級に格付けされました。そこから118年後の1973年、4世代の交代を経て努力の末に見事第1級の座に登り詰めたのです。『われ一級になりぬ、かつて二級なりき、されどムートンは昔も今も変わらず』という言葉は、昇格当時、フィリップ男爵が残した言葉として今もなお語り継がれています。
シャトー・ムートン・ロートシルトと言えば、だれもがその象徴となっているアートラベルを思い浮かべることでしょう。毎年変わりコレクターにも愛されるムートンのエチケットの始まりは、シャトー元詰めが始まった1924年に遡ります。長い歴史の中で、フランス国内はもちろん国外からも、ミロやピカソ、シャガールといった著名な芸術家たちのアートをラベルに施すなど、世界中の著名人とタッグを組み、その歴史に残していきました。
また、ムートンは自らのシャトーのワインの品質向上や革新にとどまらず、その活躍の場を世界にも広げていきます。カリフォルニアに進出してロバート・モンダヴィ氏とタッグを組んだオーパス・ワンや、1997年にチリのコンチャ・イ・トロと手を取り生み出したアルマヴィヴァはその大きな功績の一端を担っていると言えるでしょう。
シャトー・ムートン・ロートシルト2018 の特徴・評価
2018年のムートン・ロートシルトは、カベルネ・ソーヴィニヨン 86%、メルロー 12%、カベルネ・フラン 2% のブレンドです。プティ・ヴェルドも少し含まれていますが、セパージュには含まれていません。 アルコール度数は13.8%と、このヴィンテージのボルドーワインとしては比較的控えめです。 深いガーネットがかった紫色で、砕いたブラックカラント、ジューシーなブラックベリー、レッドカラントのゼリーの明るく活き活きとしたノートがすぐに主張した後、スミレの砂糖漬け、梅の煮込み、甘草、紅茶のニュアンスがゆっくりと現れ、ほこりっぽい赤い土の香りが漂います。 ミディアムボディの味わいは、レンガ造りの家のように造られており、非常にしっかりとした、超熟した粒状のタンニンと、力強い黒系果実を支えながらフレッシュさを備えており、ミネラルや風味豊かな余韻が長く続きます。 これはとても味わい深く、タンニンが熟しているので、今では親しみやすいものになっています。 5-7年はまだ閉ざした状態が続くでしょう。開くその頃には、しっかりと隠れていたニュアンスが現れ始めるはずです。 その後、25年以上かけてこなれていき、40年以上をも飲み続けられるはずです。
ワイン・アドヴォケイト:99点
飲み頃:2027 - 2067
最終試飲日:2021/4/1
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